以下に当てはまる方は、お気軽にご相談ください
- 何度も聞き返ししてしまう。
- テレビの音が大きすぎると家族に言われる。
- 相手の言っていることが分からないので、会話が楽しくなく億劫になってきた。
- 道路で、近づいてきた車に気づかないでヒヤヒヤすることがある。
補聴器外来の流れ
STEP 1
まずは聴力検査を行い、難聴があるのかどうかをみます。
STEP 2
聴力レベル、生活状況、本人の意思から、補聴器が本当に必要かどうかを判断します。
※耳鼻科は「補聴器を売ること」が目的ではないので、必要ないと判断したら補聴器は勧めません
※通常の会話が問題なく、補聴器は全く必要でない場合も多々あります
STEP 3
補聴器をした方が明らかに生活の質が上がると判断した場合には、補聴器外来を予約してください。
STEP 4
補聴器を約1~2ヶ月間、実際に自宅で試聴します。
STEP 5
「補聴器が必要である」と感じたら検討して購入します。
※「今はまだ補聴器は必要ない」と感じた方は、将来さらに聞こえが悪くなって不便に感じてきたときに、再受診してください。
STEP 6
最適な聞こえになるまで調整を繰り返します。また、定期的にメンテナンスを行います。
会話することの楽しさ
最近は、LINEなどのSNSで書いたり見たりするコミュニケーションが盛んですが、それ以上に人と会って会話をすることは、生きていく上でこの上ない楽しみではないでしょうか。
ところが聞こえが悪くなると、相手が何を言っているか分からなくなり、最初のうちは聞き返して理解しようと努めますが、何度も聞き返すのも相手に悪いし面倒くさくなってきて、そのうち会話をなるべくしないようになります。コミュニケーションが成り立たないので、人と会うのも億劫になり、自分の殻にこもるようになります。
今まで元気だった人の精気がだんだん失われていきます。会話をしないので頭も回転しなくなり周りから見るとボーっとしているよう見えてきます。そうなる前に補聴器をして聞こえを取り戻しましょう。
私も若干の難聴があるので、他人事とは思えません。居酒屋でカウンターに3人で並んだときには、隣の2人が話しているのが聞こえなかったりすることがあります。そうなると全く面白くなく寂しい思いをします。コロナが明けたら大人数のお食事会の機会も増えてくると思いますが、そこで人の話が聞こえなかったら全く楽しくないでしょう。
世間の補聴器の評価
補聴器に対する世の中の評価は高くありません。「つけてもつけなくても、あまり変わらない」とか「会話より他の音がうるさく聞こえて鬱陶しい」とか「高いお金を出して買ったが結局使わずタンスの肥やしになってる」とか。これらの補聴器のイメージを払拭したいと思っています。
補聴器を体験してみる
当院では、できるだけ多くの難聴の患者さんに、まずは補聴器を体験してもらいます。多少音がうるさく感じても、最初から頑張って長時間使用していただいて早く慣れていただきます。
しっかりと最低限の会話が聞こえるようになるまで最後まで補聴器の調整をしていきたいと考えております。そして「補聴器は自分にとって必要な物だ」と納得されたら初めて購入を考えてもらいたいと思います。
そう思えない場合には、決して購入しないでください。補聴器は15万~20万円くらいはするので、安くはない買い物だと思います。
生活を楽しむために
生活を楽しむ上で「聞こえ」は必ずなくてはならないものです。最初は家族に連れられて渋々来る患者さんもいます。聞こえないので、どこか自信がないのもあり、目を合わせようとはしません。ところが補聴器を試していくうちに会話に自信がついてくるのか、こちらを見て、まるで私からの質問を待ってるかのようになります。
日本は高齢化社会なので難聴の患者さんはたくさんいると思いますが、世界の中でも補聴器をする人が少ないのだそうです。聞こえないということが恥ずかしいことだと考えており、人に悟られないようしているからだと思います。今や若者もイヤホンをみんな電車の中でつけている時代です。補聴器も軽量化が進み形もファッショナブルになってきています。
補聴器を快適に装用するために
勇気を持って、補聴器を一度試してみてください。試してみて必要ないと思ったら、購入しなければいいだけのことです。
補聴器は購入して終わりではありません。むしろ購入してからがスタートになります。これが補聴器と眼鏡との決定的な違いになります。
しっかりと聞こえるようになるまで最初は何回か来てもらう必要があります。高いお金を出して買った補聴器をしっかりと活かすためには、しっかりとした調整が不可欠です。購入しただけで適正に調整されていない補聴器は何の価値もありません。
補聴器を自分の身体の一部のようにつけて、テレビや音楽や日常の音や会話を楽しんでもらいたいです。補聴器外来では、その手助けを全力で行っていきたいと思います。